夜想録

with a nocturne ☽

月下に咲く表現者は、色を纏う

 


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月下美人の花開く。”


これは2019MMAでのジミンさんを見た、今から約1年前の私が残しておいた言葉。

 

軽く、淡く、鋭く、空気を裂く布の残影さえ操りながら、しなやかに力強く舞う、白。少なくともあの瞬間、あの数分間、私にとって彼は世界でいちばん美しい白だったと、今でも思う。
それが目に焼き付いて、離れなくて、暗闇に映える白の美しさに重ねた、のもきっとそう。

だけど“花開く”と残したのにも理由があって。
それはその日のジミンさんの姿に、月下美人が花開く、その一瞬と同じ情緒を感じたから。


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月下美人は、年に数回、夜の数時間しか開かない、とても神秘的で美しい花。だからその花の蕾が綻ぶ貴重な瞬間に居合わせたなら、人々は息を呑んでその様を見つめるのだろうと、朧げに考えていた。
もちろん私は見たことがないから、私の言うこの“花開くの情緒”は、想像でしかない。
でもその、呼吸さえ忘れるような感覚。目を逸らしてはいけないと、心が叫ぶ感覚の欠片を、私は確かにあの日、彼の中に見た。


それからというもの、私にとって月下美人はジミンさんの花、みたいになっていたんだけれども。今回お誕生日なのを機にちゃんともう一度しっかり調べ直してみて(調べてなかったんですか)、

私は、1年越しに驚くことになる。


月下美人花言葉は、


『儚い美』
『儚い恋』
『繊細』
『秘めた情熱』
『強い意志』
『艶やかな美人』
『危険な快楽』(英)
『快楽』(仏)
『肉感的』(仏)


…もう、ジミンさんそのものじゃないかとさえ思った。彼が見せるいくつもの側面に名前をつけた時、思いつきそうな言葉ばかりが並んでいて嘘みたい。なんてよくできた偶然。月下美人は今日という日に、完全にジミンさんの花になってしまった。

それに加えて、


月下美人が咲くと、すぐに分かるほど周囲10mほどにいい匂いが漂います。ベランダなどの場所で咲いていると、部屋が匂いでいっぱいに広がるほどの強い香りです。


この記述を読んだ時、なんだかすごく彼の影を感じた。香りというか、その香りの広がり方。それが私の中で、ステージ上のジミンさんに持つイメージと繋がった。


ぶわり、広がる。色のような香りのような、無形の何か。飲み込まれた私たちの瞳は、気づけばその主を探している。


この“ 何か”、の名前がずっとわからずにいた。
…なんなんだろうこれは。彼の出す雰囲気?オーラ?…なんだかどれも、しっくりこなくて。

 

でも、ある時、ひとつの答えのようなものが見つかった。他ならぬジミンさんが、そう歌ったことによって。

 

私たちの心の目に映る、無形の揺らぎ。

“ 何か”の正体とは、

 


フィルターの色、なのかもしれない。


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どんなフィルター、どんな空気を纏うのかを、
彼は選んでいる。

 

팔레트 속 색을 섞어

パレットの色を混ぜる

 

その歌詞のように。

 

混ぜる前のパレットに乗せられた色はたぶん “ 魅せ方の種類 ”。たくさんの時間と経験を経て、時に何かを犠牲にしながら、ジミンさんは少しずつ地道に、この色を増やしてきた。


もしそれらを絵の具、とするのなら。

それはきっと、“ 努力”という名前の結晶を粉にした顔料、みたいなもの。

ラピスラズリを砕いて作る、瑠璃色と同じ製法で、“ 努力のひと” の努力の結晶から生まれた、色たち。それが最高純度を誇るのは、言うまでもなく。

混じり気のない鮮明な色彩は、1色でも十分、心の目に焼き付く。目を逸らしても、目の奥に色がじんわりと残るほどに。



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…なのに、それなのに。
ジミンさんはそれをさらに、混ぜることができるのだから、…もうほぼ、チートだ。

 

普通絵の具は、混ぜる色味が増えるほど、明度も彩度も下がっていく。赤と青の絵の具を混ぜたことがある人ならわかると思う。紫になると人は言うけれど、いざ出来上がった紫は、想像した鮮やかな紫…ではない。

 

でも、どうやらジミンさんは知っている。

赤を青を混ぜて、鮮やかな紫を作る方法を。

愛しさと哀しみ、異なる2色を、濁らせず殺さず、新しい色に生まれ変わらせる方法を。

 

全く…なんて罪づくりなひと、なのか。

彼の感覚で配合されたその色は、きっとジミンさんにしか作れない。誰も真似できないその色を纏いながら彼は微笑む、

 

어떤 나를 원해

どんな僕が欲しいの?

 

強く香り立つような、存在感。
余韻は長く、深く残る。

1度見た、彼の色を私たちは忘れられない。



 

 

 

 

…と、ここまで考えて。

…ひとつ、ある疑問が沸いた。


“ このフィルターは…演技、なのだろうか?”

 


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…難しくて、すぐには答えが出なくて。
色々調べてから、頭を悩ませた、結果。


私は、ちょっと演技とは別、なんじゃないかと思った。本当に主観的な意見なので、一概には言えないけれど…。(あくまで一意見として読んでください)

 

確かに、演技を全くしていないか、と言われると、そんなことはないと思う。MVなんかは特に。けれど、

“ 表現”なのか、“ 演技”なのか。

そのベクトルで考えると、私から見たステージ上のジミンさんはどうしても表現者、で。

舞踊科主席…とかは置いておいて、自分なりに理由を探した。(途中演技だって表現の一部であり…という思考に至って迷走しつつ)そして、ちょっと仮説的ではあるけれど思ったのは、

 

フィルター越しにジミンさんの姿が透けて見えるから、じゃないかということ。

 

もし彼が演技をしているのなら、きっとフィルターは、無形ではないし、透けないはずで。

テヒョンさんがその点は対照的で、わかりやすいのかもしれない。テヒョンさんが “ V ”になる時、テヒョンさん本人は見えない、というか意識的に分けているような気がする。逆もそう。テヒョンさんがばんたんのみんなでわいわいしている時、“ V ”はその場にいない。

 

 

でも、ジミンさんの場合は。

 

フィルターの色が、普段の何気ない時、無意識に滲んでいるように思える瞬間がある。それは、かっこよさ、優しさ、あざとさ、色気、雄っぽさ…etc。ステージでのものに比べたら淡くはあるけれど、確かに覚えがある、色。


“JIMIN ”の奥にジミンさんを見る。
ジミンさんの奥にも“JIMIN ”を見る。


そんなことが起こるから、私はジミンさんのフィルターの色達、その土台になるものは常に彼の中に淡く存在しているんだろうな、とぼんやり考えた。

そんな言わば色の元は長い間、蒸留だったり、ろ過だったり、研磨みたいな過程を経て、上で言ったように “努力の結晶”、のちに “最高純度の色を誇る顔料 ” になる。

そしてフィルター用の絵の具として、舞台上でだけ意図的に彼のパレットに乗せられる…のかな、なんて。

 


…言葉にするのが難しいな、伝わってるかわからない…笑  とりあえず私が思うジミンさんはそう、なのです。

 


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ジミンさんという人。

世界でいちばん“魅力的 ”の言葉が似合う人。

 

そう言えるのは、磨かれた外見、唯一無二な声、そのパフォーマンスだけではなくて、ジミンさん自身が中身まで、とても素敵な人だから。

ここまで散々彼の “ 色 ”の話をしたけれど、
…最後に、もうひとつだけ。

 

彼の、魂の色の話をさせて欲しい。


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ひたむきさや真面目さ、誰にでも寄り添ってくれる思いやりに溢れた優しさは、ジミンさんの芯にある人柄で。あたたかいその言葉を聞く度、ジミンさんが誰かの心に寄り添うのを目にする度に、何となく。その魂の形は綺麗なまんまる、なんだろうなと想像してた。その表面にはゆらゆらと、色が滲む。宿している鮮やかな気配を思わせるように。

 

…こうやって文字にしてみて、はじめて気がついた。私が勝手に想像しているジミンさんの魂はどうやら、


しゃぼん玉によく似ている、らしい。


無論そんなに壊れやすいものだとは思っていないけれど。(というか、壊れて消えるなんてことは、私が許さない)
あの不思議な揺れる虹色は、子供ながらにずっと眺めていたいと思えるような、特別、だった。私のはじまりから数えた方が早い場所にある “ 綺麗なもの”の記憶。
その記憶を、大人になった私は今、幸せであって欲しい人の魂の色に重ねている。

 


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そんな泡色の魂を持つ、私たちの天使さんは笑うと前が見えないらしい。

でも、そうなる瞬間がたくさんあればいいなと思う。前が見えないのは困りものだけど、貴方が満面の笑顔でいられる回数は多ければ多いほどいいと、私は願っているのですよ、ジミンさん。

代わりに、貴方にとっての寂しい夜は、数を減らしますように。貴方が孤独を感じるのなら、心の中で手を繋ぐから。

ぬくもりは届かなくても、真心を込めて。
貴方のことをひとりぼっちになんか絶対にしない、そんな私の約束を込めて。

 

愛してます、貴方がいつも私たちに言ってくれる、それよりももっと。

貴方の持つ色の全て、そして貴方自身を。

 

 

Happy birthday !!

 

 

2020.10.13  Tou

星繋ぐ貴方へ、敬意を込めて



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光彩が淡くなったのか、頬を撫でる風の涼しさがそう感じさせるのか、黄昏の空に時折切なさが混ざるようになった。白昼には暑さを残しながら、日が落ちれば夜が主張を始める。すぅ、と熱が引くように。そろそろ夜長の季節だと耳打ちするかのように。

 

貴方に似合う気がして勝手に秋の情緒と黄昏を重ねているけれど、私の好きなこの季節の訪れに、秋めく空に、貴方は何を想うだろうか。

 


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ナムジュンさんについて考えると、思考がすごく深いところまで潜っていってしまうから、水面から顔を出すまでに時間がかかってしまった。思いを整理出来てるかちょっと自信が無いけど、とりあえず揺蕩う小舟に上がって、月でも眺めながら今日は彼の話をしたい。

 

 


“ 好き”には種類があると、私は思う。


ときめくような“ 好き”、面白くて“ 好き”、“ 好き”だけど苦しい、守りたいような“ 好き”。


“ よく分からないけど無性に好き”、みたいな感情があるぐらいなんだから、「自分のこの人に向けた“ 好き”はこういう好きが何%で、この好きとこの好きが混ざってて…」とはっきり自覚して数値にするのは難しいけど、誰かに向ける“ 好き”の中身とその割合は、少なからず人によって違う。


それはいつか流行った、神さまが○○を作る時〜ってやつで、神さまが入れすぎたり倒したりしながらボウルでまぜまぜしていたみたいに、“ 好き”の中に色んな感情がごちゃ混ぜになっているからなんだと思う。

 



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なら、私のナムジュンさんに向けた

“ 好き”、とは。


考えてみると、私からナムジュンさんへの“ 好き”ボウルの中身でいちばん多くの割合を占めるのは、

尊敬からくる“ 好き”なんじゃないか。

そう思った。


「Respect」の中で、尊敬って重くて厚い言葉でそんなに軽々しく使うものじゃない、貴方はそう言っていたけど、

もし、生涯で尊敬の対象にできる人は両手の指で数えられるまで、と定められていたとしても、きっと私はその中の1人に貴方を選ばずにはいられない。


私が知る言葉の中からこの感情に名前をつけるなら、それはやっぱり“ 尊敬”で、“ 敬愛”なのだ。

 

 

 

なんで私がナムジュンさんを尊敬しているのかを一言で説明するのは難しい。

それは尊敬の理由が “これ”というひとつに限定されたものではなくて、もっと私の体の奥深くを満たすような、たくさんの形のない何か、だから。

とてもまとめて言い表せない。


でも確実に、私が言葉を好きだから、というのは彼に惹かれる理由のひとつなんだと思う。


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ナムジュンさんの頭の中には、
銀河が広がっている。

膨大な読書量・知識・学びから来る、
無数の言葉達の輝きが、そこにある。

 

ナムジュンさんの凄いところは、その銀河の中の数多の星たちの名前をひとつひとつちゃんと覚えていて、詞を作る時、この星とこの星の輝きは似ているから、とか、ここに相応しい星の連なりは、とかそういうことが、経験と感性でわかってしまうことだと思う。


言葉を操るのが上手い、
銀河の話をなぞるなら星を繋ぐのが上手いのだ。


だから私は、ナムジュンさんの歌詞や言葉たちのことを、星座みたいだと思ったりする。だって、星を繋いだんだから。

彼だけの、彼だけが作れる特別な星座たち、
私はいつもその輝きに憧れている。


願わくば、ナムジュンさんの持つ銀河を望遠鏡で覗き込みたい。まだまだ銀河とは言い難い私の頭の中、ナムジュンさんが作った星座や、教えてくれた星たちは宝石のように輝いているけど、自分の空に浮かぶ星の密度が増すことを、私は望んでいるから。


貴方の中の銀河を知りたい。

私の知らない輝きを知りたい。

もし自分の銀河から太陽系を選ぶなら、どんな言葉を当てるのか。

貴方にとってのベガやアルタイル、一等星の言葉たちのことを。


いつの日か、私の頭の中が銀河と呼べるほどに言葉の星で溢れたのなら、私だけの星の繋ぎ方で貴方に“ 愛してる”の気持ちを綴るから。


だからどうか、貴方の言葉を、もっと。

 

 


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後にも先にも、私がリアルで


“ ナムジュンさんみたい”


そう思うような人に出会うことは、ない。
絶対に、ない。

そんな確証がある。


もちろんばんたんの7人全員そう…ではあるんだけど、ナムジュンさんは特に、そんな感じがする。

私は前のブログでじょんぐくのことを、神さまの最高傑作、と言い表したけど、ある意味じょんぐくよりもナムジュンさんみたいな人を探す方が、難しいのかもしれない。

 

世界中、どこを探したって見つからない。
唯一無二。なんて類まれな人。


そう思わせるのは、ナムジュンさんの言葉を辿った先、見え隠れするその考え方のせい。彼のような思考の渦を持つ人を、私は他に知らないから。

 


いつの間にか鏡写しに割れていた街は、

空の縁に呑まれ、沈んだ。


사랑과 미움이 같은 말이면
愛と憎しみが同じ言葉ならば


そんな言葉を残して。

 

私は「seoul」が本当に好きで、間違ってプレイリストに2回追加してしまってもそのままにしておくぐらい大好きなんだけど、

上の一節は初めて聞いた時からずっと心に住みついている。ナムジュンさんの考え方が、強く滲んだ詞のような気がして。

 


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愛について、夢について、

そして人について。


ナムジュンさんが考え続けるのは、そんな誰も答えを知らない、答えの存在しない問いたち。


それは希望のようでありながら、絶望や諦めを影に隠していること、その暗さが一層光の面を美しく見せているのだということを彼は知っている。

けれど決して、その影の部分から目を逸らさない、逸らさないような人であろうと努力できる人、それがナムジュンさん、なんだと思う。


普通の人が隠したり、なかったことにしようとするようなことを認め、受け入れようとする。失敗も至らなさも、失望も怒りも、自分の中に気づきと学びとして落とし込むように。それを考えることは大切だとわかっているから。


考え続けること、疑うことの大切さについて知っている。自分は絶対ではないこと、誰でも何かを間違っていること、自分を信用しすぎるのが、危険なことだと知っている。

どれも、今を生きる人達に足りないこと。
そんなことについて、知っているのだ。



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なんで、そんな風にいられるの…と、何度も思った。


ナムジュンさんの考え方と姿勢は、痛みや葛藤を伴わないと得られない、限られた人だけが持つ強さで。高みにある思考だからこそ、孤独を孕んでいるから。


誰もそんなことを考えない、考えないから悲しくなって、もう嫌だ…と諦めて、口を噤むマイノリティの存在を、私は幸運にも理解できて。

ほんの少しだけ心配している。貴方の思考が磨かれていけばいくほど、その孤独感は強くなっていくんじゃないか。

自分だけが違うような、違う話をしているかのような感覚に陥ることが増えないか。


52Hzのクジラに私が最初に重ねるのは、
いつだって貴方の姿、なのだ。

 

 

……なのに、貴方という人は。


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いつもいつも、私たちの心の奥深くに優しく触れるように、語りかけるように話をする。

貴方の銀河から優しい言葉を選んで、
寄り添うように、愛していますと添えながら。

 

…あぁ、もう…好きだなぁ…


貴方がいる同じ時代に生きていられて、私はなんて幸せ者なんだろう。

貴方ばかりが傷つくことがなければいい、少しでも寂しさや孤独、怒りが和らぐような時があればいい。

優しい貴方を想っては、そう願うばかり。

 

 

貴方には貰ってばかりだから、本当は何か返したいんだけどな…悔しいことにどうにも出来ないので、今日も私は言葉を綴る。

 

精一杯の愛と感謝と、敬意を込めて。


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敬愛なるナムジュンさんへ、

貴方が生まれた日はこれからもずっと特別です。来年の今日までまた、貴方の言葉に耳を傾けさせてください。

 

愛しています。
その頬に天使がキスを落としたのなら、貴方に訪れるのは祝福でありますように。

 

Happy Birthday!!

 

 

2020.9.12   Tou

君の理想郷の住民Bになれたなら


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めいっぱいの夏を抱いたまま、どこか遠くで聞こえる微かな秋に気がついて。それでいて瞳はまだ、燃える様な天の青から離せない。
そんな9月の始まりの日に、生まれた君へ。


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大きな目、整った顔。私の常識からすれば、どう考えても長い手足。甘い歌声は、聞く人の心を震わせて。ダンスもキレキレ、腹筋バキバキ、運動神経はぴかいち。絵だってさらっと描けちゃうし、繊細に音を重ねた綺麗な曲まで作れる。

出来ないことを探す方が難しい。

 

“ だって、じょんぐくだから。”

 

神さまの最高傑作。黄金の異名を持つ君。

そんな貴方を知った頃、私が抱いた初めての感情は、憧れ……なんて、綺麗なものではなく。


小さな嫉妬、だった気がする。
だってずるい。何でも持ってて…こんな奴きっと自信家で性格の悪いチャラチャラした陽キャに決まってる、きっとそうだ…ふんっ…


我ながら酷い偏見で、キラキラの君を羨ましがってた…ごめん、じょんぐく。
タイムマシンがあったら一旦私のこと、ぶん殴ってくるので。


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蓋を開けてみればじょんぐくという人は、ただひたすらに一途で真っ直ぐで、澄み切ったエメラルドブルーの湖みたいな人だった。きっとそこは深く潜っても普通に息ができて、体を纏う水は冷たくなくて、差し込んで乱反射する光の元、素敵な歌声が響いてるんだろう。

 

歌うのが好き。ステージが好き。6人のひょんたちが好き。でも1番は、やっぱりあみ。

じょんぐくはいつだってあたたかい愛をくれる。優しい眼差しで、甘く溶ける声と歌で、

“ 아무행알”

その言葉通り、私たちの幸せを願って。


こんな…こんな心まで綺麗な人、いるんだ…


どうしようもないような人たちが多い世の中で、じょんぐくという存在はある種の驚きだった。15歳という若さであの世界に入って、きっと人の暗い面とか嫌なところもたくさん知ったはず、だからこそ。

だけどそれは彼の内面を大人にしただけで、どうやらじょんぐくの深いところはブレずにずっと変わらないらしい。

それを守ってくれたのは、やっぱり6人のひょんたちなんだろうなとも思う。今年のFESTAの寄せ書きで6人がじょんぐくにあてた一言は、それぐらい愛に溢れてた。じょんぐくのそばにいるのがあの6人でよかったと心から思った。もう、7人まとめて愛してる。どうしたってばんたんForever、なのだ。

7人でいるときのじょんぐくは、意外とひょんにバッサリものを言ったり、我が物顔の赤ちゃん大魔王だったり、ずっと何やらむしゃむしゃ食べてたり、手を叩きながら大笑いしたり、とにかく自由で楽しそうで、私はかっこいいじょんぐくももちろん好きだけど、そのご機嫌!みたいな姿が好きだ。きっと、君が笑っているのを見ると、幸せなんだと思う。その笑顔が消えないように、ずっと世界が優しければいいのに。

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じょんぐくはよく、もっと頑張って、もっと成長して、もっとあみにいい姿を見せたい、そんなことを言う。

だけど成長“し続ける”って、すごく難しい。次の階段は前のものより必ず高いように出来てて、繰り返すほど、それを越えるにはそれだけの努力を積み上げなきゃいけない。これはばんたん全員に言えることだけど、トップレベルと呼ばれるまでに登りつめてしまったからこそ、苦しくて重い次への1歩を踏み出して、日々進み続ける彼らを私は尊敬してる。


それができる理由は?そう尋ねられたら、君はきっとまたあみの名前を呼ぶんだろう。

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じょんぐくの大部分は、ばんたんとあみとステージでできている気がする。それが「情熱なく生きるくらいなら死んだ方がマシだ」と刻む彼の情熱の形であり、彼の世界の全てかのように。

私の世界は、沢山のものでごちゃごちゃ組み立てられていて、多分何かひとつぐらいは欠けても他のものが支えてくれると思う。

だけど、じょんぐくは違う。
彼が生きているのは、数本ある大きな柱の上に立てられた、限りなく美しいけれど、危うさを孕んだユートピアで。

私はちょっと、怖くなる。

柱のうちの1本がもし折られてしまったら、そこは壊れてしまうんじゃないか。エメラルドブルーの湖に投げ込まれた毒は、一瞬で君を蝕んでしまうんじゃないか、と。

Still With Youの頃あの小さなウイルスのせいで、彼の世界には深い霧が立ち込めて、雨が降っていた。貴方はいつか霧が晴れること、夜明けが来ることを信じていたけど、それでもひとりぼっちの静寂で泣いているような気がして。君に傘をさしてあげたい、毛布で包み込んであげたい、そんな叶わない願いを抱きながら、私はただ切なくて甘い歌声を聞いていた。

早く彼らとあみが会える日が来ますように。
大事な人達が悲しむ夜なんて、もういらない。
どうか…どうか、はやく。
じょんぐくが“ 보고싶었어요 ”を、言えるように。
SYSのEuphoriaで空を飛びながら浮かべていた、あの本当に幸せそうな、愛おしそうな笑顔がまた見られるように。


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じょんぐくと、「愛」について少し考えていることがある。それは貴方の誕生花、虎百合の花言葉のはなし。

“ 私を愛して”

一途で切ない叫びのような、そんな花言葉があることを私は知らなかった。
君は、いつから知っていたんだろう。
いつかの展示会でモチーフとして描いた時?
それとも、もっとずっと前…、なんだろうか。

わからないけど、貴方にとってあの花は“特別 ”で。その証みたいに、腕には一生枯れることのない、不滅の虎百合が1輪咲いてる。

 

ちらりと覗くそれに、考えてしまう。

その花に隠された言葉が、大きな意味を持って彼の心に住み着いている、のなら…?

私はその度、ちくり、棘を呑んだような感じがして。哀しさと、寂しさと、愛しさの混ざる、小さな胸の痛みに勝手に苦しくなったりする。

 

愛してる、愛してるよ、じょんぐく。

私は君の心に直接水を注いであげることは出来ないけど、いつだって、貴方自身を。

本当はじょんぐくには、自分のことを愛してあげて、と言いたい。完璧を求める君は自分に厳しくて、ダメなところばかり目に付いてしまうのかもしれないけど。それでも君は特別で、限りなく綺麗で、素敵な人だって、どうか知っていて欲しい。

そしてそんな貴方を愛している人が、貴方の幸せを願っている人たちが、数え切れないぐらいたくさんいることも。

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好きな人はあみ、いつかそう言っていた君。
その理想郷の住民Bになれたなら。

私は君に、ぴんく色の胡蝶蘭を送りたい。

赤い薔薇はもっと情熱的に愛を伝えられるかもしれないけど、私が彼らへ伝えたい愛は透明でもう少しゆるりとしたもの、だと思うので。

愛を伝えながら、幸せが飛んでくることを願える、そんな花を君に。


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最後の最後に私事になってしまうんだけど、私は“1日”という日付が苦手だ。
1ヶ月という大きな枠組みのことを、どうしても意識してしまうから。作品が未完成なのに、

“ はい、時間切れ”

そう言われて、二度と触れられないように鍵をかけて進まなきゃならない、そんな感じがするから。

だから1日は、私にとって少し「あーあ…」みたいな、鈍い憂鬱だった。いつからか1年に12回現れるようになった厄介な化け物、のような。

そいつがある時、1回分現れる数を減らした。

それは紛れもなく、
じょんぐく、貴方に出会えたからで。


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9月の、1日。

秒針と分針が重なって、世界がほんの少し息を止めた、その直後から。世界は貴方への愛の言葉で色づき始める。貴方の笑顔と素敵なところを添えて、色とりどりに増えていく。花開くように、世界が再び息を止めるその瞬間まで、ずっと。

私はその光景を眺めながら、差し出がましくも幸せのお裾分けを貰ったような気持ちで、そっと1日を終えるのだ。きっと今年も、ついたちの化け物には出会うことなく。

ありがとう、君が今日という日に生まれたのは神さまのきまぐれだって知っているけど。
この夜をくれた君に、私も優しい夜と、一輪の花を返したい。

 

Happy birthday!!

貴方の1年が悲しみのないものであることを祈って。

 

 

2020.9.1 Tou